全年齢

チョコレートと子どもと経済

あきこ

プリスクール時代には毎年、母の日あたりになると、学校で用意してくれるプレゼントの中にAll about my mom(私のお母さんについて)の紙があるのですが、4〜5歳ごろの珍回答が良くて。

お母さんの年齢は?(先生が子どもに質問)
子どもの答え 13歳

とかね、色々面白いんです。他にもお母さんが好きなことは?好きな食べ物は?などがあり、

娘たちは、他の答えはトンチンカンだったとしても(笑) 、好きな食べ物のところには、二人とも「チョコレート」と答えていました。正解!

最近、チョコレートの価格が上がっているなあと感じていた昨年末あたりから、西アフリカのカカオ産地のニュースは時々目に留まっていました。先日、毎朝のニュースチェックをしていたら、こんなニュースが飛び込んできて、私はこれを娘に見せました。

なぜチョコレート価格が高騰している?

記事の一部を抜粋 ーSource: ロイター通信 2024.3.29

西アフリカのガーナと隣国コートジボワールは長い間カカオの供給量が世界全体の60%超を占める「カカオ大国」だった。しかし今シーズンは収穫量が壊滅的に落ち込んでいる。チョコレート原料のカカオ豆は供給不足に陥る見通しで、ニューヨーク市場のカカオ先物は年初から価格が2倍以上に跳ね上がった。相場は連日のように史上最高値を更新しており、上昇基調に変化の兆しは見られない。

ロイターが農家、専門家、業界関係者など20人余りに取材したところ、ガーナのカカオ生産の落ち込みは違法な金採掘の横行、気候変動、業界の運営ミス、カカオを枯らす病気の急速な蔓延など、さまざまな要因が重なったことが分かってきた。

私は、普段から、9歳と6歳の娘たちに見せるものや話す内容のベースとなる記事やニュースには割と気を配っていて、なんでもかんでも見せたり話したりするわけではないんです。

でも、この記事が良いと思ったのは、実際にカカオ産地で生活の危機に直面した人の姿や気持ちが取り上げられているものだったから。

同じ記事の一部を抜粋 ーSource: ロイター通信 2024.3.29

[サムレボイ(ガーナ) 28日 ロイター] – 彼女のカカオ農園は有毒物質で汚染され、赤茶色に染まった水たまりが点在していた。違法な金採掘業者が残したものだ。農園の所有者ジャネット・ジャムフィさん(52)は、この荒れ果てた風景に心が折れかけている。

ガーナ西部にあるこの27ヘクタールの農地には、昨年まで6000本近いカカオの木が植えられていたが、残っているのは12本に満たない。

「この農園は私が生きていくための唯一の手段だった」と涙するジャムフィさんは離婚し、4人の子どもを抱えている。「この農園は子どもたちに残すつもりだったのに」

Ghana(ガーナ) と言えば?国名以外に、赤い箱のGhanaチョコレートが頭に浮かぶ人も多いんじゃないかな?私は子どもの頃から大好きでしたよ、ガーナチョコレート。生産会社のロッテは、2003年に商品名の由来となったカカオ産地のガーナ共和国について、ガーナの技術者を支援する「ガーナ基金」を設立したそう。

私

ママね、子どものとき(ま、今もだけど) 、ガーナチョコレート大好きだったんだ。それでGhanaっていう国がカカオの産地って知ったんだよ。このニュースね、そのGhanaのカカオ産地の話なんだ。最近、(アメリカの)スーパーでも、チョコ高いなあって思ってたんだよ。

A(9歳)
A(9歳)

Supply and Demand (需要と供給)、学校で習った。それのことみたい。

私

そう、その通りだね。

Y (6歳)
Y (6歳)

ママ、もうチョコレートずっと買えないの?

私

買えるよ。買えるけど、いつもと同じようにスーパーに行くたびに買っていたら、他の食材に使えるお金が少し減っちゃうんだよ。だから、チョコレートを買う頻度や量をちょっと減らすっていうアイデアもあるけど、ママの気持ちとしては、それでも(少し高くても)チョコレートは買い続けたいかな。

Y (6歳)
Y (6歳)

ママはチョコレートが好きだから?

A(9歳)
A(9歳)

ママは、チョコレート好きだから、チョコレートを作ってる人のことも大事っていうことなんでしょ?

子どもが、物事を理解できるのは、自分と同じ、地球上で生活している誰かが「嬉しい」「楽しんでいる」「困っている」「苦しんでいる」、そういう気持ちに共感したり寄り添えるとき。

ジャネット・ジャムフィさんの農園が、違法な金採掘業者の手によって有毒物質で汚染され、赤茶色に染まった水たまりが点在し、「この農園は私が生きていくための唯一の手段だった」と涙する様子を伝えているロイター通信の上の記事は、

私がチョコレートが大好きでよく買うのを見ている娘たちにとって、人々の生活や気持ちに直結する経済の話なんです。

ついでに、こういうのも一緒に見たり。

ガーナ共和国 ー株式会社 明治 公式ウェブサイトより

比べてみよう世界の食と文化ーガーナ共和国

これを見ながら、カカオ産地のことを話したり。

あとは、住んでいる国アメリカがどんな取り組みをしているのかも、上の子と一緒に見てみました。

***

ちなみに私は金 (ゴールド)のアクセサリーも買うし、金塊も投資先の一つに選んでいるので、私も金の買い手の一人であることは間違いない。経済学上では「需要」の一部になっている。9歳・10歳くらいだとその辺りも理解できます。
違法金採掘業者とどう関係があるかな?金を買う人・欲しい人が増える=業者は供給を増やそうとするよねという話までして、このガーナのカカオ産地の話はいったん終わりました。

講師 あきこ
講師 あきこ

皆さんも、自分がよく買う好きなもので、お子さんと気軽に経済の話をすることを習慣にしてみてくださいね!

ABOUT ME
講師 あきこ
講師 あきこ
トータル16年間、米英のパーソナルファイナンス教育(=お金の教育) の分野における実務と知識習得に力を注ぎ、現在は、子どもの金融教育を専門に、日本国内外の保護者に「欧米式のお金の教育」を提供している。子どもの自立と自己実現を叶える『欧米式お金の教育X国際教育 7ステップ』プログラムを独自に考案、子どもの個性を尊重した社会、一人ひとりの子どもが自立して自己実現できる社会を目指して活動している。CreateBright Education LLC代表。米国ファイナンシャルエデュケーション講師 (CFEI®)。海外生活3カ国21年、アメリカ在住ママ。アメリカ生まれの小学生二人の育児中。
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