子どもと一緒に被災地に寄付をする方法
「穏やかで幸せな年末年始を過ごしたい」
誰もが願うこと。
平穏に新しい年を迎えられることが当たり前ではないことを実感した2024年の年明け。これを書いているのは、石川能登半島地震の3日後、羽田空港JAL機と海上保安庁機の衝突事故の2日後です。
海上保安庁機は、石川の被災地への支援物資を積んでいて、おそらく年始から休まずに支援活動に尽力されていた方々がお亡くなりになったということで、本当に胸が締め付けられる思い。
2日続けての悲しいニュースに、日本国内に住んでいる人も海外在住者も、心を痛めている人はたくさんいると思います。
ですが、現場に行けない私たち、そして未成年の子どもたちが「何もできない」ということはないということを、ぜひここで一緒に考えてみて欲しいと思います。
子どもと一緒に被災地に寄付をすることや、どんなことについて話すか、何に気をつけるべきかということについてみていきましょう。
信頼できる寄付先もご紹介しているのでぜひ参考にしてください。
当ブログは、お金の教育の一環として考え方や方法を示すことが目的であり、寄付活動を強制していません。お子様にも、寄付を強制することは推奨していません。お子様とお話しされる際には十分にご注意ください。
行動することで学ぶ
子どもたちは日々、学校でも私生活でもたくさんのことを学び、その年齢に相応しい知識と思考力をつけてぐんぐん成長していますね。
お金の教育を構成するのは、大きく3つに分けると「知識」「思考」「行動力」
この中で、高いファイナンシャルリテラシーに直結するのは「行動力」です。
まず「知識」
子どもたちは、自分に影響を与える社会制度を広く「知る」必要があります。そういった視点で「知識」というのは大切。お金の知識と社会のしくみに関する知識には深い関係があります。
そして「思考」
自分にはどうすることもできない、という考えで終わるか、「どうすれば良いか」「何ができるか」を考え抜くかで、生涯お金を生み出し生活していく力(自活力)が大きく違ってきます。だから「思考力」は知識と同じくらい大切。
最後は一番大事な「行動力」
どんなに高度な知識や素晴らしい考えがあっても、行動しなかったら、知らなかった・考えなかったのと同じ。お金のことに限らず全てのことに言えることですが、人は、行動しない限り、自分がいる場所から何かが変わることはありません。行動力は、知識や思考以上に大切だと私は考えています。
未成年の子どもたちは、親のもとでこの「行動力」を鍛えていき、「行動」することで、本物の良質な学びを積み上げていきます。
行動することで学ぶのが子どもなのです。
行動は「できる範囲で良い」
子どもに与えたいのは、「小さな自分でも何かできる」と信じる気持ちと、その信念に沿った実際の行動力。
大きなことや素晴らしいことができないから何もできない・しないのでは、いつまで経っても自分が社会の重要な一員であることが感じられません。
大きいことや素晴らしいことは、小さい努力、決断、行動の積み重ねの先にやってくるということを大人と一緒に経験して学んでいくのが子ども時代。
「働くこと」「自活すること」、もっとシンプルに言えば『生きること』の根底にある活力(モチベーション)は、自分が社会の重要な一員であると認識することと大きな関係があります。
小さな行動を積み重ねることが、大きな結果につながる
自分の小さな優しい行動が、誰かの大きな幸せにつながるかもしれない
こういった考え方を持って実際に行動することは、子どもの健全な成長に欠かせない要素だと思います。
子どもに限らず、大人も「できる範囲で良い」。
アメリカやイギリスの寄付文化が一般庶民に浸透しているのは、自分が協力したい・助けたいという意志に沿ってできる範囲でできることをやるという『本来の寄付の目的』に沿った、非常にシンプルなものだからです。
※富裕層になるほど、寄付と税金には深い関係がありますが、ここでは主旨とズレるため割愛します。
私たちはみんな、それぞれ自分の生活があり、もちろん自分と家族の生活を第一に優先すべきです。世の中には自分達の生活だけでも精一杯という人もたくさんいます。そんな中で寄付にお金を使うというのは、十分な余裕がない限り、誰にとっても普通にサラッとできることではありません。これは居住地や文化に限らず世界共通のことです。
そんな、多くの一般庶民にとって「普通にサラッとできることではない」ことを、なぜやるのか?
もちろん、人としての道徳が最初に来ることは確かですが、それ以外にも、お子さんの生涯における経済活動の全てに関わってくるから、というのが私がお金の教育の一環としてこれを書いている理由です。
人としての道徳の部分は、私にはどうすることもできませんが、お金の教育という観点で、ファイナンシャルリテラシーの要(かなめ) になる部分に焦点を当てています。
↑こちらは、プログラムの中で具体的に学ぶことができます
少額のお金や自分の労力(ボランティア活動)でも良い
数百円や数千円とゼロ(何もしない)の間には大きな差があることを、子どもたちに伝えていきましょう。
お子さんがおこづかいから出したいなら、たとえ数十円でも良い、まずは行動するところから、と考えてみてください。その場合は、お子さんからとご家族からと合算してあげて、一緒に寄付をするというプロセスを見せてあげても良いですね。
できる範囲で行動するということに焦点を当てて、小さくても行動することをサポートしてあげてください。
また、行動が大事とは言え、実際には行動することが難しい年齢(特に幼児)や、これまで寄付の話などしたことがなく子どもが慣れていないというご家庭では、おうちの方がオンラインか何かお子さんに見えるかたちで寄付する場面を見せてあげるだけでも良いと思いますよ。
見たことがある、聞いたことがある、というのは後で大きな力になることがあります。
ご家庭のお金の方針を大切に、できることをできる範囲でやっていきましょう。
冒頭にも書きましたが、当ブログは、お金の教育の一環として考え方や方法を示すことが目的であり寄付活動を強制していません。お子様にも、寄付を強制することは推奨していません。
お子様とお話しされる際には十分にご注意ください。
寄付先の選び方
寄付先は個人の価値観に合った場所を選ぶのが一番ですが、信頼できるかどうかを確認したい場合は、ホームページで実際の活動の様子が写真やビデオで確認できるところを選びましょう。
また、支払い画面で、その団体の活動全般に寄付するのか、特定の災害活動(今回なら石川能登半島地震) に対して寄付するのか、その都度選べるようにしている団体が理想です。
1.活動の様子がわかる(寄付してくれた方々に様子が見える形での報告がある)
2.何に対して寄付するのかを寄付する人が指定できる
今回の子どもと行う緊急寄付先という観点から、この2つを実現している団体を一つご紹介します。寄付先を選ぶときの判断基準の一例として、参考にしてみてください。
空飛ぶ捜索医療団 ARROWS
www.https://arrows.red/donation/
特定の災害支援への寄付はこの画面から選べます
特定の災害を選んだ場合は、「今回のみ」と表示されます。最初は1,000円と表示されますが、支援①のところをクリックすると金額が選べます。海外在住者も、海外発行のカードが使えると思います。アメリカのVISAカードは使えました。
最新のYouTube動画はこちら⇩
日本在住の方は、以下のリンク⇩から、同じ団体のふるさと納税ページに飛ぶことができます
www.https://www.furusato-tax.jp/gcf/2632
わが家の9歳娘の例:
ママ、今から日本の地震の災害支援の寄付をするけど、一緒にホームページ見てみる?(と同時に起こったことを説明)
うん一緒に見てみる。どんなことに使われるの?
(ホームページを一緒に見ながら、書いてある通りに説明)
これ聞いて、どう思った?
私が持ってるの少ないけど、誰かの水や食べ物とか、レスキュー犬の餌とかが買えるかもしれないから、私もお金送りたい。
学校行事やクリスマスのときに随分減ったものの、まだいくらか寄付用にとっておいたお金が残っていたようです。
何かの時のために残していたお金と寄付用に取っておいたお金を足して、全部でいくらあるか数えている様子
娘の名前で寄付後に受け取ったメール⇩を本人に見せ説明しました。
わが家の6歳娘の場合:
私も助けたい。お金持ってくるね。
こういう時のために取っておいたお金があって良かったね!じゃあ、ママのと一緒に足してYちゃんの名前で送ろうか。
9歳と6歳では理解度が違うため、別々に違う内容を話そうと思っていましたが、次女は私と長女の会話を聞いて、自分の部屋から貯金箱(わが家は中身が見えるように透明の瓶を使用)を持ってきました。
次女のMoney Jarには、$7分のお金が入っていてその全部を送るということだったので、少し追加して、次女の名前で1,000円を寄付しました。
1000円だとお水が何本くらい買える?
全体の中の1000円だと微々たるものであることは確かです。でも一緒に調べて日本でなら1000円で500mlの水が20本弱くらい買えるとわかった時、自分にも何か協力できたと子どもは思うのです。
わが家では、子どもの意志を大切にしたいため、それぞれの名前で寄付をし親の分は別枠で寄付しています。
「自分の気持ちから寄付したいのであれば、手続きを手伝うよ」というスタンス。寄付をしなさいと強制的に誘導したことはありませんが、娘たちは、毎週、寄付のためのお金を少しずつ取ってあるので、普段から割と自然に、自分以外のことにもお金を使います。
子どもにもパッと自分の意志でできるのは、そうやって、予算があるからというのもありますね!しくみはとても大事です。
寄付とセットで話すこと
今回、JAL機の乗客と乗務員は全員脱出できたという話を、9歳の娘にしたものの、ペットは助からなかったことは私の口からは言えませんでした。(6歳次女には地震の話はしたものの、飛行機で日本に行くことを待ち望んでいるため、怖がらせたくない思いから、羽田空港での事故については話していません)
何かあった時には自分の命を守ることが最優先(本当はペットも家族だから助かって欲しいけども)、物は後回しになるから荷物のことは諦めなきゃいけない、そんな話を娘としながら、
もしものことを考えて、貴重品は常にできるだけ自分の身体に近いところに持っておくことを話し、何が貴重品にあたるのかということを一緒に考えました。ポケットのある服を着るようにするのもいいかもねということなども。
注意していてもどうにもならないことがあるのが災害や事故。被害に遭っていない自分が、被害に遭った人が貴重品を諦めないといけなかった状況を絶対に責めないこと。これは子どもと話すときに気をつけたい部分ですね。
災害や事故はいつどこで自分の身に降り掛かってくるかわかりません。物は失くなることがある。でも生きていれば残るものって何だろう。財産って何だろう?大切なお金を何に使う?
6歳以上(年長以上) なら、お子さんがわかる言葉にかみ砕いてそんな話もどんどんしてみてください。子どもは大人が思っている以上に、自分の身の回りのことやものの価値について理解することができます。
以上、子どもと一緒に被災地に寄付をする方法をご紹介しました。
今回の災害と事故により被害に遭われた方々には衷心よりお見舞い申し上げます。1日も早く落ち着いた生活を取り戻されますよう心からお祈りいたします。