12歳ー18歳

【子どものお金の勉強】旅行は絶好の機会|出発前に親子で予算プランを話し合おう!

あきこ

対象年齢:7歳以上(推奨年齢:10歳〜)

旅行というお金の勉強の絶好のチャンスを活かすには、旅行前に、予算の期待値を設定して子どもと共有することがおすすめです!予算の期待値とは、家族旅行の予算はどのくらいで、何にいくら使う予定があるのかといったお金の計画のこと。

「期待値」ですし、また現地に行ってみないとわからないことも沢山あるので、厳密な予算プランを立てる必要はありません。

予算プランを話し合う目的は、子どもが

  • 家族旅行を楽しむにはお金が必要
  • 予算がある
  • どこからかお金が湧き出てくるものではない

という現実をきちんと受け止めて、予算内で家族旅行を最大限に楽しむ計画に、自分も参加している!という、お金の勉強をしつつも前向きな姿勢に繋げていくことにあります。

予算があるということは、優先するものを決めないといけません。家族の優先事項の話し合いに子どもが参加することで、旅行中、したくてもできないことや、欲しくても買えないものもあって当たり前なのだと知るきっかけにもなります。

ポイント

共有するのは、子どもに直接関係がある部分だけにしましょう!

出発前に話し合うこと

旅行中は外食続きになったり、移動費、お土産選びにスイーツにと出費が頻繁にあるもの。

その旅行に割り当てた予算と、何にどのくらいのお金がかかりそうなのかについて、ざっくりでも子どもに事前に伝えておきます。そして「予算内で最大限に楽しむ方法を考えるよ!」と話し、その旅行で「家族が優先したいこと(どこにお金を使うか)」を共有するようにします。

「今回は移動費がかかるけれども、景色と新しい体験を優先するよ」
「今回はアクティビティ重視だから、ものは最低限しか買わないつもりだよ」
「今回は少し贅沢をして美味しいものを食べることが目的だよ」

など、その旅の目的をできるだけ一つ二つに絞って、それぞれの選択肢にかかるおおまかな費用についての会話に参加させることで、子どもは、将来の予算決定のための考え方を身につけることができます。また、優先順位の高いものにお金を使う習慣が、自然と身に付きます。

旅行中は、思い出の品や今しかできない経験を考えると、何かしらどうしても出費は嵩張るものですよね。

でも前もって、旅の目的や大体の予算の会話に入れてもらえていれば、お子さんに「それは買えない」「我慢しなさい」「必要ない」と言わなければならない頻度が格段に減ります。

言わなければならない時が来ても、お子さんは理由を理解できます

そこが大切です。

旅行中にすること


外食中の特別なドリンク1杯、毎日のお菓子タイム、お土産屋さんでのTシャツ1枚など、支出の境界線(どこまでが親の予算内なのか)を子どもたちに前もって伝えることで、「買いどき」「我慢のしどき」がわかるようになります。

そのときその場で伝えるのではなく、一貫した「ポリシー」を事前※に伝えましょう。
※レストランに向かう前やお土産屋さんに入る前など

注意点

ここは、親が支払う場合についての話です。子どもが自分のお小遣いを使うときは、子どもに任せましょう。

親側の予算を事前に伝えることが、子どもの「良い判断」「決断力」「計画性」を高めます。

金額で伝えるよりは「個数」で伝えましょう。選んできたものが予算を超える場合に、初めて金額を伝える方が、お子さんは「本当に欲しいもの」を選ぶ力が付きます。(金額で伝えると、金額範囲内で選ぶ方に意識がいくので、そんなに欲しくないものを選んでしまう可能性が高くなります。)

日頃からやっておくと良いこと

大人も子どもも、「欲しい」という欲求は誰にでもあるもの。それを我慢してかき消すのではなく自制心を鍛えて上手く管理するためには、子どもも、自分でお金を管理してあれこれ考えながらやってみるのが一番です。
「おねだり」のようなものは、子ども自身が支出の決定権を持つことで次第に減っていきます。

つまり、旅行時に使える自分の貯金や旅行用の臨時収入などがあると、自分の支出を自分でコントロールする必要があるので、価値判断やお金の管理、満足感の先延ばしなど大切なことを学べます。欲しいものやお菓子を買って欲しいという親との争いも避けられます。

支出を上手くコントロールできる力は、日常的な習慣により身につけることができます。日頃から、家庭内での親子の会話に、そして実際にルールに添って自分でお金を管理する中に、当たり前のようにお金の勉強の機会があることが鍵になります。

その体験と学びの積み重ねが、旅行のような非日常の場で発揮されます。何を積み重ねているか、なんですね。

よく、子どもの金融教育で「お小遣いを渡して、実際にお金を使いながら失敗も含めた体験を積ませましょう」というのがありますが、きちんとしたルールのもとにお金の勉強が積まれていなければ、実は子どもはお金に関する失敗を失敗と認識することすらできません。

お小遣いを渡すだけでは、効果的なお金の勉強にはならないのです。

旅行のような非日常的で変則的な場面で、さらに質の良いお金の勉強に繋げていくには、日頃の家庭でのお金の教育の在り方を整えておく必要があります。

旅行中に思いやりの心を育てよう


祖父母へのポストカード、親友へのフレンドシップブレスレット、いとこへのお菓子など、旅行は子どもたちに「自分以外の誰か大切な人」のことを考えさせる良い機会です。
自分のお小遣いを使うにせよ、親が支払うにせよ、大切な誰かのことを考える習慣をつけることは、思いやりの心を育てることにつながります。

お金は、思いやりの気持ちを「かたち」にすることができる一つの素敵な道具なんだ!ということを実感できる良い体験になるでしょう。

ABOUT ME
講師 あきこ
講師 あきこ
トータル16年間、米英のパーソナルファイナンス教育(=お金の教育) の分野における実務と知識習得に力を注ぎ、現在は、子どもの金融教育を専門に、日本国内外の保護者に「欧米式のお金の教育」を提供している。子どもの自立と自己実現を叶える『欧米式お金の教育X国際教育 7ステップ』プログラムを独自に考案、子どもの個性を尊重した社会、一人ひとりの子どもが自立して自己実現できる社会を目指して活動している。CreateBright Education LLC代表。米国ファイナンシャルエデュケーション講師 (CFEI®)。海外生活3カ国21年、アメリカ在住ママ。アメリカ生まれの小学生二人の育児中。
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